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不眠に関する意識と実態調査

調査概要 ―日本人の約4割に不眠症の疑いあり―

全国の20歳から79歳の男女7,827名を対象に、不眠に関する意識と実態を明らかにするための調査を実施しました。日本の成人3人のうち1人が、「寝つきが悪い」「睡眠中に何度も目が覚める」「朝早くに目が覚める」など何らかの不眠症状に悩んでいると言われています。今回の調査でも、国際的な不眠症判定法により不眠症の有無を確認したところ、対象者の約4割に不眠症の疑いがあるという結果がでました。

※ Furihata R et al. Sleep Med 2012;13 (7):831-837.

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約4割に「不眠症の疑いがあり」、約2割が「不眠症の疑いが少しある」

  • 国際基準「アテネ不眠尺度」によると、今回の調査対象者の約4割(38.1%)が「不眠症の疑いがある」、約2割(18.4%)が「不眠症の疑いが少しある」と判定された。

不眠症の疑いあり層は、不眠によって
「日中のパフォーマンスが、3割以上ダウンする」

  • 睡眠が取れて、日中思いどおりに活動できることを100点とした場合、現在の自己採点では、不眠症の疑いなし層が「87.3点」、疑いがあり層「64.5点」と3割以上の減点。不眠症状が強まるほど、日中のパフォーマンスがダウンする。

不眠症の疑いあり層の約6割は、「不眠症の自覚なし」

一方で、不眠症の疑いあり層で、不眠症の自覚があっても、
約7割が「受診せず」

  • 不眠症の疑いがある人で、「自分が不眠症ではないかと思う」(35.2%)のは3人に1人で、残りの約6割(64.8%)は不眠症の自覚なし。
  • 不眠症の自覚症状がある人でも約7割が「医師に相談したことはない」(69.0%)と、受診せず。

疑いあり層は、脳の覚醒を促す「就寝前に不安感、緊張感がある」
人の割合が、疑いなし層の約4倍

行動面でも、疑いあり層の9割が、就寝前に
「テレビ、スマホ操作、寝酒」等をして、脳の覚醒を助長

  • 不眠症の疑いあり層(58.5%)は、疑いなし層(19.5%)に比べてストレスを感じている。
  • 脳の覚醒を引き起こす、就寝前に「不安感」、「憂鬱な気持」、「緊張感」を感じると回答した人の割合が、疑いあり層では、疑いなし層と比較して、約4倍にのぼる。
  • 不眠症の疑いあり層の約9割が、脳を覚醒させる「テレビ、スマホ操作、寝酒」などの行動をとる。

不眠症治療薬に対し、服薬者の約7割が「不満」

  • 不眠症治療薬を飲んでいる人の約7割(71.0%)が、現在服薬している不眠症治療薬に対して不満がある。
  • 不眠症治療薬を飲んでいない人は飲んでいる人に比べ、不眠症治療薬は「怖い」「治らない」などネガティブなイメージが強い。
内村直尚(うちむら・なおひさ)先生

”脳の覚醒”を防ぐことが、快眠へのカギ。
不眠が慢性化する前に、専門医に早めに相談を。

内村直尚(うちむら・なおひさ)先生
久留米大学医学部神経精神医学講座教授

専門は不眠症、過眠症、レム睡眠行動障害、概日リズム睡眠障害、むずむず脚症候群などの睡眠障害。1981(昭和56)年に開設した日本初の睡眠障害専門外来をチームトップとして牽引してきた睡眠障害のエキスパート。

今回の調査には、不眠症の国際的な判定法であるアテネ不眠尺度(AIS)が用いられたが、成人の3人に1人に当たる38%に不眠症の疑いがあり、その可能性を否定できない人を含めると過半数にのぼる、という結果に驚いた。不眠症の有病率は諸外国を含め、一般に6~10%とされているが、日本ではそれよりはるかに多い可能性が示唆された。

不眠症の疑いがある人たちには就寝前の特徴的な行動がみられたという。高齢者はテレビ、中年男性は飲酒、若年者はパソコン、タブレット、スマホなどの操作やゲームなどである。いずれも、脳が休息したいときに、逆に覚醒を強めるような行動といえる。さらに、就寝時には不安感や憂鬱な気持を感じている人の割合が、疑いがある人たちはない人たちより4倍以上多かったという。ネガティブな気分を紛らわせるためにテレビやスマホに手が伸びるのであれば、まさに悪循環である。従来いわれてきた対人関係のストレス、カフェインの摂取などに加え、寝室まで携帯電話を持ち込むようなライフスタイルの定着が日本人の脳をより一層、覚醒状態に追いこんでいるのだろう。

一方、不眠症の疑いがある人たちの65%が、自分は不眠症ではないと思っている、というのも興味深い事実である。自分は眠れていると思っているわけだが、就寝時に、脳が覚醒状態になってしまうと、なかなか寝付けないだけでなく、眠っている間も脳の一部が覚醒しているような状態に陥り、深い熟睡が妨げられ、翌日の眠気やパフォーマンスの低下を引き起こす可能性があるから、注意が必要だ。

就寝時に「携帯電話などの操作、ゲーム、飲酒、カフェイン摂取、喫煙、考え事」が習慣になっていないか、ご自身の「脳の覚醒チェック」を行って、改めることをすすめたい。

不眠症の疑いがある人のうち、69%が医療機関に相談したことがない、という結果も、そもそも不眠症の自覚がないことが大きいのだろうが、加えて不眠症治療薬を飲むのは怖い、不眠症は薬では治らないと思っている人が多数派であることも無関係ではないだろう。

不眠症治療薬は脳の活動を抑えて眠りに導くタイプに加え、近年は体内時計に働きかけて睡眠のリズムを整えるタイプや覚醒を維持する脳内物質の働きを抑えるタイプの薬が登場するなど、治療の選択肢がひろがっている。不眠が慢性化すると治りにくくなるので、就寝時だけでなく日中にも不調を感じる様であれば、早めに専門医に相談してほしいと思う。

※「携帯電話などの操作、ゲーム、飲酒、カフェイン摂取、喫煙、考え事」
これらの項目は、今回の調査で不眠症の疑いあり層と、疑いなし層で比較したところ、不眠症の疑いあり層で統計学的に有意に高いという結果が得られました。

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