睡眠Q&A

不眠症について、よくある質問をご紹介します。
質問をクリックすると回答が表示されます。

  • 不眠の原因は何ですか?
    Q1
    A

    眠れない理由はさまざまですが、その多くは覚醒と睡眠のバランスが崩れ、体を「覚醒」させる機能が「睡眠」を誘う機能よりも上回ってしまった場合、不眠がおこるという仮説が報告されています。

    バランスの崩れる原因には、生活習慣病/脳神経疾患/呼吸器疾患など、睡眠習慣の問題・睡眠リズムの乱れ、ストレス、うつ病などの精神疾患、アルコール/薬の影響などがいわれています。

    眠りのメカニズムについては、まだ解明されていないことが多く、上記のような仮説が考えられています。

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    櫻井武 睡眠の科学 講談社ブルーバックス 2010 p145. より作図

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  • 不眠と生活習慣病(糖尿病や高血圧など)は何か関係がありますか?
    Q2
    A

    慢性的な不眠や睡眠不足は、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病を引き起こすリスクを高めることがわかっています。多くの研究から、不眠と生活習慣病は互いに関連性があり、相互に影響を与えているといわれています。

    不眠症状(入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠困難)のある人では、ない人に比べて糖尿病を引き起こすリスクが約2~3倍、高血圧になる危険性が約2倍高くなるといわれています。

    不眠を改善することは、生活習慣病の予防や治療においてもとても大切です。

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  • 不眠症と睡眠不足の違いは何ですか?
    Q3
    A

    不眠症と睡眠不足はよく混同されがちですが、まず睡眠不足は、就労や学習、不規則な生活などにより、偏った睡眠習慣となり、その人にとって十分な睡眠が得られずにいる状態をいいます。ただし、必要な睡眠時間は、年齢による差や個人差があります。日中、眠気のために仕事や家事に困難を感じなければ、睡眠不足の心配はないでしょう。

    一方、不眠症は、精神、身体、神経等の病気などのために、主観的に眠りたいのに眠れず、不眠の症状や日中の活動に影響が続く状態をいいます。

    一時的な環境の変化やストレスなどで、数日間眠れない状態は一過性不眠といい、原因が解決すれば眠れるようになりますが、生活上の工夫を行っても不眠の症状が1ヵ月以上続く場合には、治療が必要な場合もありますので、医師に相談してください。

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  • 睡眠時間はどのくらいが最もよいのでしょうか?
    Q4
    A

    米国で行われた110万人の男女を対象とした「睡眠と死亡率」の調査では、最も死亡率が低かったのは、睡眠時間が7時間の人でした。

    必要な睡眠時間については、成長や加齢とともに変化することがわかっています。

    小学生では9~10時間,その後20歳頃までに7~7.5時間になります。10歳代では個人差が大きく,7時間で十分な中学生がいる一方で,8時間以上の睡眠が必要な大学生もいます。成人後は必要な睡眠時間はあまり変化せず安定します。60歳を過ぎると必要な睡眠時間は短くなり,70歳を過ぎると実質6時間を切ります。ただし,トイレ覚醒など中途覚醒が増えますので,その分を計算に入れて高齢者では7時間程度床に入っていれば十分でしょう。

    平成28年に総務省が実施した社会生活基本調査委によると,眠るために布団に入っている長さは15~19歳では7.3時間と明らかに睡眠不足であることが分かります。逆に60歳以降どんどん長くなり,70~74歳男性で8.0時間,女性で7.6時間と明らかに長すぎることが分かります。

    日中に快適に活動できていれば、十分な睡眠がとれていると考え、睡眠時間にこだわらないようにすることが大切です。

    Roffwarg HP et al. Science 1966; 152(3722): 604-619.
    Williams RL et al. Electroencephalography of Human Sleep. Wiley; 1974.

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  • 寝酒はダメですか?
    Q5
    A

    アルコール(エタノール)には催眠作用があり、入床前に寝酒すると寝付く助けにはなりますが、夜中に効果が切れ、睡眠の後半では目が覚めやすくなります。

    アルコールは睡眠の質を低下させるため、夜間に何度も目が覚めたり、眠りが浅い状態になったりします。トイレに行きたくなって目が覚めることもあります。

    また、寝酒が続くと体がアルコールに慣れ、量を増やさないと眠れなくなり、アルコール依存症に陥ってしまう危険性もあります。

    不眠が続く場合は、お酒に頼らずに医師に相談してください。

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  • 眠るためには、睡眠薬はいつ服用すればよいでしょうか?
    Q6
    A

    睡眠薬は、体が寝る準備に入っているときに服薬しないと効果が出にくくなりますので、服用する時間帯に注意が必要です。

    睡眠薬は、普段寝る時間を参考にしながら、眠る直前に服用し、服用後はすみやかに床につくようにしましょう。服用後にしばらく起きて活動していると、寝つくまでの行動や会話などを忘れてしまうなどの、一時的な記憶障害がおこることがあります。

    また、一部の睡眠薬では、脱力やふらつきなどの副作用があるため、転倒を避けるためにも服用後は、すみやかに床につくようにしましょう。

    睡眠薬によっては、食後すぐに服用すると体内に吸収される際に影響を受け、血液中のお薬の濃度にも関係して効果が出にくくなる場合があります。夕食後、ある程度の時間をおいて、眠る直前に服用するようにしましょう。

    処方された睡眠薬は、必ず医師、または薬剤師の指示どおりに服用してください。

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  • 睡眠薬にはどのような種類がありますか?
    Q7
    A

    お薬による不眠症治療は、「バルビツール酸系睡眠薬」にはじまり、これまでは「ベンゾジアゼピン系睡眠薬」、「非ベンゾジアゼピン系睡眠薬」などがよく使われてきました。これらはいずれも「GABA受容体作動薬」に分類されるお薬です。

    その後、「メラトニン受容体作動薬」という体内時計を介して眠りをもたらす薬が開発されました。

    そしてさらに最近、オレキシンという覚醒にかかわる脳内物質の働きを抑えることによって睡眠に導く「オレキシン受容体拮抗薬」も開発され、「不眠の薬物治療」の選択肢が広がっています。

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  • 市販の睡眠薬(睡眠改善薬)も不眠症に効果があるでしょうか?
    Q8
    A

    市販の睡眠改善薬は、抗ヒスタミン薬といって、風邪薬やアレルギー薬の眠くなる成分です。この薬は、連用すると効果が減弱する(耐性が生じる)、大量に服用すると腎障害を起こすことなどから、「一時的な不眠」に対して使用することが原則となっており、医師から「不眠症」と診断された場合には使用しないこととなっています。

    「不眠症」は、夜間眠れないことで、日中の生活に支障をきたし、眠気や倦怠感などの心身の不調が、1ヵ月以上続いた場合などに診断されます。

    不眠の原因は人によってそれぞれです。自分ひとりでなんとかしようとせず、症状が長く続く場合には、早めに医師に相談しましょう。

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  • 薬を使わない治療法はあるのでしょうか?
    Q9
    A

    お薬を使わない不眠症の治療法として、「認知行動療法」があります。

    認知行動療法は、睡眠に関する考え方や行動パターンを見直し、生活指導をすることで、不眠を改善していくことを目的としています。

    正しい睡眠の知識を修得し、生活習慣の改善、睡眠習慣の改善を行うことによって、不眠の症状を改善していきます。

    また、睡眠薬を長期服用している場合にも、認知行動療法をあわせて行うことによって不眠の症状を軽減し、お薬を減量できる場合もあります。

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  • 眠れない夜だけ睡眠薬を服用してもよいでしょうか?
    Q10
    A

    一部の薬剤では、不眠の頻度が低く(週1回未満)、服用量が少ない場合は、お薬を定期的に毎晩服用せず、眠りにくい夜だけ頓用(※)しても、不眠症状の悪化はないという報告もあります。

    しかし、すべてのお薬にそれが当てはまるかはまだわかっていません。

    また、不眠の症状が重く(週2~3回以上ある場合)、複数の睡眠薬を服用している場合には、お薬をのまなかった夜に症状が悪化してしまう可能性もあるので頓用は避け、医師の指示どおりに服用してください。

    お薬の頓用を試したい場合は、必ず医師と相談して睡眠薬の種類や服用方法を決めるようにしましょう。

    (※)頓用: 必要に応じて薬を服用する方法。頓服ともいう。

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  • 睡眠に関する悩みは、何科に行けば診てもらえるのですか?
    Q11
    A

    不眠に対する悩みや症状は、内科・精神科・心療内科・睡眠専門の医療機関で相談できます。

    現在別の病気で受診していたり、お薬を服用されていたりする場合は、それらが原因で夜眠りにくくなっていることも考えられますので、受診される際に医師に相談してみましょう。

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  • 睡眠薬をやめられなくなるのではないか心配です。
    Q12
    A

    「睡眠薬を服用すると、やめられなくなる(依存症になってしまう)のでは…?」と不安に感じる人も少なくありません。

    かつて使われていたお薬の中には、依存性の強いものもありましたが、現在使われている睡眠薬は、継続して服用しても強い依存性はないといわれています。

    また、眠れるようになってきたら、徐々に薬を減らしたり、薬をやめるようにするなど、医師と相談しながら治療法を選択していくという考え方が主流になっています。

    不眠症は慢性疾患ですので、ある程度の期間お薬の服用が必要です。怖がって、お薬をのんだり、のまなかったりするのが一番よくありません。

    睡眠薬による治療をして、不眠が改善している患者さんには、休薬に向けて少しずつ量を減らしていく方法(減薬)などもあります。

    ただし、症状が改善したからといって、ご自身の判断で急にお薬を中止したり減量したりすると、症状が悪化する場合がありますので、休薬を考える場合は、必ず医師に相談してください。

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